現在、当院の薬剤部では病院薬剤師業務の変遷に伴い、時代に合った業務展開を目指し業務改善に努めています。中でも高齢化に伴うポリファーマシー対策として、医師・看護師とともに薬物の適正使用に介入すべく各病棟に薬剤師の配置を実施し、年齢や腎機能・肝機能に基づく適切な薬物治療や投与量に関する情報提供を行っています。
また、後発医薬品の使用推進を実施し、医療費の抑制と安全な薬物治療の提供に努めてまいります。
当院では医薬分業の方針に準じて、院外処方箋を発行しており院外処方せんの発行率は91.9%となっています。院外処方せんを受け取られた後は、かかりつけ薬局にて説明を受けたのちにお薬をお受けとりいただきます。
入院中のお薬については、電子カルテと連動した部門システムを介して処方箋をチェックし、個々の年齢・性別・腎機能や肝機能等から投与量の確認を行った上、必要な場合は医師へ疑義照会で確認を行った後に調剤を行い、医薬品の適正使用に努めています。
当院では、入院中および外来での点滴や皮下注射等の治療が必要な方に対して医師の指示に基づき、1患者1トレイを原則として注射薬払出システムを用いて自動化とスピードアップを測り搬送用カートを用いて病棟に供給しています。
抗がん剤の投与に際しては、事前に化学療法委員会で承認された投与レジメンに添って、抗がん剤の投与スケジュールや投与量・減量基準等に基づき投与量の確認を行います。
投与当日には医師の指示に基づき安全キャビネット内で抗がん剤の調製を行い、調製量のチェックや異物混注等の確認項目を鑑査した後に払い出されます。
当院では内服薬・注射薬・外用薬合わせて29品目の医療用麻薬を管理し、手術後の疼痛やがん性疼痛、慢性的な疼痛緩和に対する運用管理を行っています。本年度より医療用麻薬管理システム『MONET』(ユヤマ社製)を用いて適切な医療用麻薬管理に努めています。
電子カルテ上で院内に緊急安全性等を関係部門に周知しています。
入院中の患者さんに各病棟担当者が服用されている薬剤について医薬品情報提供書を用いて説明に伺います。
また、入院期間中に検査データを確認しながら、投与量の確認や副作用症状の発見、適正使用に向けた処方変更を担当医の先生方へ提案しております。
ポリファーマシー(多剤服用:多くのくすりを飲むこと)は、高齢者を中心にくすりによる副作用を引き起こすことがあります。また、複数の医療機関を受診していることにより、くすりの組み合わせが複雑になってしまうことがあります。
当院では医師、薬剤師、看護師による多職種ポリファーマシーチームを設立しました。飲んでいるくすりの見直し、くすりの組み合わせの見直し、くすりの副作用が出ていないかの確認などを行うチーム回診を入院中の方を対象に週1回行っています。
降圧薬や抗生剤、鎮痛剤など医療現場になくてはならない薬をエッセンシャルドラッグといいます。当院薬剤部では総合内科と協力して、研修医や新人薬剤師を対象に月に1回エッセンシャルドラッグ勉強会を実施し、臨床現場で使える知識の共有を行っています。
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 | 1名 |
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日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 | 1名 |
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
日本糖尿病療養指導士 | 1名 |
和歌山県地域糖尿病療養指導士 | 2名 |
糖尿病薬物療法准認定薬剤師 | 1名 |
栄養サポートチーム専門療法士(NST) | 2名 |
日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師 | 1名 |
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 | 6名 |
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 | 5名 |
日本医療情報学会 医療情報技師 | 1名 |
当院では実務実習期間中に、ポリファーマシー回診や薬剤師が知るべきフィジカルアセスメントなど、各ワーキングチームや委員会へ参加していただいています。
病棟や地域医療、在宅訪問薬剤師などで活躍できる薬剤師の育成を目指し、病棟業務を中心とした実務実習を体験していただきます。
2017年Ⅲ期 | 大阪大谷大学 | 2名 |
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2018年Ⅰ期 | 武庫川女子大学 | 1名 |
大阪大谷大学 | 2名 | |
2018年Ⅱ期 | 大阪薬科大学 | 1名 |
大阪大谷大学 | 1名 |