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脳神経外科

脳神経外科について

診療内容

当科は一般外来および入院患者さんの診療に加え、伊都、橋本、五條地域の頭部外傷、脳卒中に対して24時間体制で救急に対応しております。

当科は、日本脳神経外科学会研修施設のみならず日本脳卒中学会認定教育施設であり超急性期脳梗塞には経静脈的血栓溶解療法( tPA 14名)を行い、必要時は和歌山県立医科大学 脳神経外科 血管内治療チームの協力のもと、血管内手術も行なっております。

当科では県下で3施設でしか行えない「画像支援ナビゲーション手術」を行っています。この手術で使用されるMedtronic社製のニューロナビゲーターStealthStationは、自動車の道案内に用いられる‘カーナビ’のようなものです。 病変部と周辺組織の立体的位置を正確に表示してくれるため、手術の際にどこを切開しどのように進めば安全に病変部まで到達できるのか、といったことが一目瞭然です。その結果、神経や血管を傷つけることなく安全に病変部を取り除くことができるようになり脳腫瘍の治療で成果をあげています。さらに、重要脳神経や重要機能を司る脳(手足の動き、言語)近傍脳腫瘍摘出時には神経モニタリングを併用し画像支援ナビゲーションと共に病変部を切除する精度を高めるだけでなく安全性の向上に努めています

また和歌山県下では数少ない専門外来 「物忘れ外来」、認知症の一原因である特発性正常圧水頭症に対する「水頭症外来」を開設しております。

対象となる主な疾患と治療法

脳動脈瘤(くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤)

くも膜下出血は、脳動脈の分岐部に瘤(こぶ)ができ、それが徐々に大きくなって破裂して起こります。一方、脳ドックなどで破れる前に見つかった動脈瘤を「未破裂脳動脈瘤」と呼びます。

2014年は、20名のくも膜下出血患者さんが当センターに救急搬送され、最重症例を除く9名に対して根治手術(開頭ネッククリッピング術8例、コイル塞栓術1例)を行ないました。

当科の特徴として、「開頭ネッククリッピング術」をメインに手術していますが症例により「コイル塞栓術」も行っております。

脳動脈瘤(矢印)
ネッククリッピング術後
(クリップにて動脈瘤消失)
(術中写真:画面中央に血管壁が薄くなった動脈瘤を認める)
(動脈瘤は虚脱している)
脳動脈瘤コイル塞栓術
(コイル塞栓術治療風景)
93歳、女性、破裂脳動脈瘤
術後動脈瘤は消失している

重症頭部外傷

当院は、救急救命科と協力し、「救急症例全例応需」を目指し、搬入依頼をできる限り断ることなく救急患者さんを受け入れております。

平成26年4月より、高度治療室(HCU)を開設し、術後は頭蓋内圧モニター、局所脳酸素飽和度モニターなどの最新機器を用いて周術期管理を行い救命、機能予後の改善に努めております。

(急性硬膜下血腫術前)
(急性硬膜下血腫術後)
(急性硬膜外血腫術前)
(急性硬膜外血腫術後)

脳内出血

脳内出血は脳卒中のなかで、脳梗塞についで多い疾患で、出血量の少ない症例は保存的に加療しますが、出血量が30mlを越える症例については、機能的予後改善を目指し、症例を選んで定位的血腫吸引除去術を行っています。下記のような出血症例も、全身麻酔は不要で、駒井式定位脳手術装置用いて手術を行っています。

術前(左被殻出血)
駒井式定位脳手術装置を用いて血腫を吸引している(局所麻酔下)
定位的血腫吸引術後

内頚動脈狭窄症(経皮的頚動脈ステント留置術)

内頚動脈狭窄症は、首のところで脳へ行く血管が細くなり、引いては脳梗塞を引き起こす病気です。

当科の特徴として、この病気に対し、頚部の切開を必要としない血管内治療(経皮的頚動脈ステント留置術;CAS)を積極的に行っています。

2014年度は、10人の患者さんに頚動脈ステント留置術を行ない、合併症無く治療を行いました。また症例によりますが、頭蓋骨の中の脳血管狭窄症などに対してもバルーンによる拡張術(PTA)やステント留置術も行っております。

術前(狭窄部;矢印)
ステント留置後の拡張
(ステントとバルーン;矢印)
術後(狭窄部が改善している;矢印)

超急性期脳梗塞(tPA療法、血管内手術)

脳梗塞は、一度起こってしまうと改善が難しい病気ですが、現在、発症4.5時間以内の脳梗塞患者に対してtPA(アルテプラーゼ静注)療法が認可されております。

当センターでも、これら早期の脳梗塞患者にtPA療法を積極的に行なっております。

また、当科の特徴として、tPA療法が効かなかった患者のなかで症例を選択し、血管内治療(血栓回収デバイスによる再開通術)を行なっております。 

2014年度は、139症例の脳梗塞患者が救急搬送され、11症例にtPA療法を行ないました。

(tPA静注前)
(tPA静注後、血管が再開通している)
(ステントとバルーン;矢印)

脳腫瘍(ナビゲーション手術、術中神経モニタリング併用)

当科では県下で3施設でしか行えない「画像支援ナビゲーション手術」を行っています。

この手術で使用されるMedtronic社製のニューロナビゲーターStealthStationは、自動車の道案内に用いられる‘カーナビ’のようなものです。

病変部と周辺組織の立体的位置を正確に表示してくれるため、手術の際にどこを切開しどのように進めば安全に病変部まで到達できるのか、といったことが一目瞭然です。

その結果、神経や血管を傷つけることなく安全に病変部を取り除くことができるようになり脳腫瘍の治療で成果をあげています。

さらに、重要脳神経や重要機能を司る脳(手足の動き、言語)近傍脳腫瘍摘出時には神経モニタリングを併用し画像支援ナビゲーションと共に病変部を切除する精度を高めるだけでなく安全性の向上にも役立っています。

(Medotronic社、Steath station)
(神経モニタリング)
(術中ABR)
手術前
手術後

特殊外来

当科では一般脳神経外科以外に専門外来を開設しています。

物忘れ外来

物忘れ外来では、物忘れを主症状とする疾患、特に認知症の診断、治療を行います。認知症とは、記憶力や判断力が徐々に低下し、日常生活を送ることが困難となってくる病気です。専門外来での診断・治療により進行を遅らせ日常生活を支障なく送れるようにするためのサポートを行います。 認知症を生じる病気の中には、脳手術で治療可能なもの(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍)もあります。

また、アルツハイマー型認知症であっても、進行を遅らせる薬があり、今までは1種類しかありませんでしたが、平成23年からはさらに3種類の新しい薬がでています(飲み薬と貼り薬があります)。その他、脳梗塞などからくる脳血管性認知症や、幻視やパーキンソン症候群を特徴とするレビー小体型認知症なども含めさまざまな認知症の診断・治療もおこなっております。認知症は、早期発見・早期治療が大切ですので、できるだけ早く医療機関を受診して下さい。

物忘れが気になる方や、認知症が始まったのではないかと心配な方に、物忘れが年齢による物忘れなのか、病気による物忘れなのか、またどういった病気によるものなのかを診断し、それぞれに応じた治療を行いますので、お気軽にご相談下さい。

水頭症専門外来

治る認知症、歩行障害、尿失禁があるのをご存知ですか?

はっきりとした原因がないのに歩きにくくなったり、認知症、尿失禁の症状が出た場合、「特発性正常圧水頭症」という病気の可能性があります。このような症状は、パーキンソン病や脳卒中、あるいはアルツハイマー型認知症などでもみられますが、数%の割合で、「特発性正常圧水頭症」という病気が含まれていることがあります。この病気は適切な診断ができれば、髄液シャント術という手術で症状の改善が得られます。

また、当科の特色として、頭に傷をつけなくてもよい腰椎―腹腔シャント術(LPシャント)を積極的に行なっております。2014年度は26名の患者さんにシャント手術を行い、24名に著明な改善がみられました。

下記の症状にお心当たりのある方は是非、当科の水頭症専門外来を受診してください。

「特発性正常圧水頭症」の歩行障害の特徴
小刻み歩行(小股でよちよち歩く)、開脚歩行(足を開き気味にして歩く)、すり足歩行(足が挙がらない状態)、不安定でよく転倒する、第一歩がでない、突進歩行(うまく止まることができない)、歩くと左右どちらかに傾いてしまう、などがあります。

(正常圧水頭症患者MR冠状断)
(挿入するバルブ)
腰椎―腹腔シャント術後

頭痛専門外来

(準備中)

以上が、当脳神経外科の紹介ですが、現在3名の脳神経外科医師でこれ以外の病気にも可能な限り対応しておりますので、何かありましたら外来受診してください。

さらに詳しい情報

データベース事業(NCD症例登録)への参加について

当科は、一般社団法人 National Clinical Databaseが運営する専門医制度と連携したデータベース事業に参加しています。

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