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脳血管内治療科

脳血管内治療科について

更新情報

2022.4.1 - 脳血管内治療科ページを公開しました。

診療内容

当科は従来の脳神経外科診療に加え、脳の病気に対してカテーテルという「医療用の管(くだ)」を血管に入れて様々な道具を病変部に運んで治療を行う「脳血管内治療」を専門的に行う診療科です。この方法を用いることで「針穴」から手術を行うことが可能になり、少ない負担で高い効果を得られる手術を提供することができます。

脳卒中(脳の血管の病気)については日本脳卒中学会認定の一次脳卒中センターであり、血管内治療のみならず様々な脳卒中に対し対応が可能です。

対象となる主な疾患

脳動脈瘤(未破裂、破裂)

脳動脈瘤は「脳の血管にできた瘤(こぶ)」であり、大きいものは周囲の神経を圧迫して症状を出すことはありますが、ほとんどの脳動脈瘤は持っているだけでは症状は出しません。

しかし、一旦破裂してしまうと「くも膜下出血」という生命の危険を伴う重篤な病気になり得るため、破裂脳動脈瘤はもちろん、破裂する前に治療することもあります。

以前は開頭を行い動脈瘤の頚部にクリップをかける「開頭ネッククリッピング術」が主流でしたが、近年医療機器の発達により頭を切らずに治療する血管内治療によりほとんどの脳動脈瘤が血管内治療で治療可能になってきました。

血管内治療では脳動脈瘤の中にマイクロカテーテルという非常に細いカテーテル(くだ)を入れて柔らかい金属の糸(コイル)を瘤の中に詰めて固めてしまう「コイル塞栓術」を行います。脳動脈瘤の頚部(ネック)が広いものについては、単純にコイルを運ぶと脳動脈瘤からはみ出て正常の血管まで塞栓してしまう可能性があるので、バルーン(風船)やステント(網の筒)で血管を守りながら動脈瘤の中にのみコイルを満たすことが可能になりました。

また「T字型」「Y字型」の特殊なステント(パルスライダー)や、血管に留置するだけで血流を変えることによりステントを置くだけで治癒することが可能なステント(フローダイバーター)も使えるようになり、様々な医療機器を用いて低侵襲で安全に治療が可能です

ただ、これらの医療機器を使用するには動脈瘤の部位や形状などにより向き不向きがあります。詳細につきましては相談だけでも結構ですので一度受診していただければと思います。

脳動脈瘤コイル塞栓術の画像

瘤内にコイルを満たして映らなくなっており、正常な血管の血流は保たれています。

術前
術後
脳動脈瘤ステント併用コイル塞栓術の画像

動脈瘤の頚部(ネック)が広い場合はコイルを詰めるだけでは正常な血管も詰まってしまします。ステントを併用することで正常の血管を守りながら安全に塞栓することが可能です。

術前
術後
ステント画像
ステント、コイルイメージ図
パルスライダー併用コイル塞栓術の画像

従来のステントで治療困難な動脈瘤でもT字型、Y字型のステントを用いて安全にコイルで塞栓することが可能になりました。

術前
術後
パルスライダー、コイルのX線画像
イメージ図
脳動脈瘤に対するフローダイバーター留置術の画像

ステントを留置すると動脈瘤の中の造影剤が停留していることがわかります。これは脳動脈瘤に血流が行かなくなっていることを示しており、今後血栓化による治癒が期待できます。

術前
術後
X線画像

急性期脳梗塞(経静脈的血栓溶解療法、血栓回収術)

脳の血管が詰まる病気を「脳梗塞」といいます。脳梗塞は従来薬物治療とリハビリテーションによる機能回復が治療方法でしたが、起こって間もなければ血栓を溶かす薬により劇的に回復できる可能性があります(経静脈的血栓溶解療法:組織プラスミノーゲンアクティベーター静注療法)。

また、経静脈的血栓溶解療法ができない、または施行しても効果がない方に対してもカテーテルで直接血栓を回収することで血流を再開させる方法があります(血栓回収術)。心房細動など不整脈によりうまく心臓から血液が拍出されない場合心臓の中に「血液の塊(心内血栓)」ができ、心臓を飛び出して脳の方に流れてしまった場合突然脳の太い動脈が詰まり重篤な症状を出す場合があります。これを脳梗塞の中でも特に「心原性脳塞栓症」といいます。血栓回収術はこの心原性脳塞栓症に対して有効とされています。

これら急性期脳梗塞に対する再開通療法は高い治療効果を示すことがある反面、比較的リスクの高い治療法ですので患者様によっては施行できない方もいらっしゃいますが、安全性を考慮して的確かつ迅速に治療方針を判断して患者様や御家族に最適の治療方針を提供いたします。

経静脈的血栓溶解療法の画像

閉塞して写っていない脳の血管が再開通し、翌日には描出されています。

初診時
治療翌日
血栓回収術の画像

閉塞した脳の血管に血栓を絡めとるステントを展開し血栓を回収することで閉塞した脳の血管が再開通しています。

術前
術中
術後

頚部内頚動脈狭窄症

内頚動脈は心臓から頚部を通って脳に血液を供給する最も大きな血管の一つですが、加齢や高血圧、糖尿病などにより頚部の内頸動脈に動脈硬化をきたし血管の壁に「垢(あか;プラークといいます)」がついて細くなり脳梗塞の原因となることがあります。

この疾患に対しては薬物療法に加え、直達手術により直接プラークを取り除く手術(頚動脈内膜剥離術)の他に風船で広げてステント(金属の網の筒)を置く血管内治療(頚動脈ステント留置術)があります。

頚動脈ステント留置術は全身麻酔の必要がなく、皮膚を切る必要がないという体の負担が軽いという利点がありますが、プラークを直接取り除くことができないという弱点もあります。ただ治療器具の進歩に伴い、近年の研究では頚動脈内膜剥離術と頚動脈ステント術を比較した場合治療効果や安全性に差がないことがわかっており、血管内治療をおこなうことが増えてきました。

程度によっては症状がなくても手術を行うこともあり、また逆に脳梗塞を起こしても薬物治療の方針となることもあります。手術についても様々な検査によりどちらの手術が適しているかを検討することになります。脳梗塞を言われたことがある、頚動脈の超音波検査で異常があると言われたことがある、など御心配な方は一度受診いただくことをおすすめします。

頚動脈ステント術の画像

左から術前、バルーン拡張時、ステント展開時、術後狭窄部がバルーン、ステントにより十分に拡張されていることがわかります。

頭蓋内動脈狭窄症

動脈硬化によりプラークが血管の壁に生まれ脳の主な動脈が細くなったり詰まったりすることで脳梗塞の症状が出ることがあります。脳梗塞の中でも「アテローム血栓性脳梗塞」といわれますが、このタイプの脳梗塞は原則薬物治療の方針になります。その理由は脳の動脈は全身の中でも特に壁が弱く、風船(バルーン)で広げたり網の筒(ステント)を置いたりすることはリスクが高いいためです。しかし、薬物治療によっても改善が見られない場合などは「経皮的血管形成術(風船で広げる)」や「脳動脈ステント留置術」を行うことがあります。

また、近年脂質を強力に低下させる薬剤もあり、これにより血管内治療を行わずにプラークを減らせることがあります。

脳ドックなどで「脳の血管が細い」といわれたことがある患者様など御相談いただければと思います。

経皮的血管形成術の画像

頭蓋内動脈は脆弱なため十分に拡張することはせず、わずかに拡張させて血流の改善を確認することにとどめます。術前と比較し血管がよく描出され血流が改善していることがわかります。

術前
術後
脂質強化療法の画像

強力に脂質を低下させる薬を用いることで、手術をすることなく薬のみで狭窄の原因となるプラークを退縮させることがあります(効果には個人差があります)。

初診時
6ヶ月後
薬剤写真

脳動静脈奇形

生まれつき脳の血管に奇形があり、痙攣や脳出血の原因となる比較的珍しい病気です。若い時に発症することが多いですが、中年以降に発症することもあります。また脳の検査をした時にたまたま発見さることもあります。

治療法としては開頭術、血管内治療、放射線治療があり、また治療を行わない経過観察という選択肢もあります。各治療法を組み合わせて行うこともしばしばで、症状や画像検査により治療方針は多様です。

血管内治療は奇形に向かう異常な血管に塞栓物質を運ぶことで奇形に血液をいかなくする「脳静脈奇形塞栓術」を行います。皮膚を切らずに体の負担が少ない治療が可能ですが、開頭術の支援手術で行われることも多いです。患者様に合わせた様々な治療の選択肢を御提案できますので、もし脳ドックなどで疑われることがあれば外来受診していただくことをお勧めします。

脳静脈奇形塞栓術の画像

異常血管の描出がなくなっていることがわかります。この後開頭して安全に摘出できました。

術前
術後

硬膜動静脈瘻

頭のケガや感染症などの様々な理由により「脳の外の動脈」と「脳の静脈」が直接繋がってしまう、比較的珍しい病気です。本来脳の静脈は、動脈により栄養や酸素を含んだ血液が脳に達した後に心臓に返す「帰り道」の役割を果たしています。しかし、この病気になると脳の静脈の血液は、勢いのある「脳の動脈」に本来の血液の流れを邪魔され逆流することがあり、様々な神経症状や痙攣、脳出血を起こすことがあります。

血管内治療により動脈側、あるいは静脈側から様々な塞栓物質を運ぶことで異常な血液の流れを遮断し、本来の脳循環に戻すことで症状の悪化を予防します。

病気の内容が複雑で患者様によって病気の様子が様々なので、病気の内容と治療の方針を丁寧に説明させていただき御理解いただいた上で方針を決めさせていただきます。

硬膜動静脈瘻塞栓術の画像

動静脈瘻により眼の静脈が拡張、逆流していましたが、塞栓をすることで異常な血管が消失しています。

術前
術後
塞栓物質(コイル)

脳腫瘍に対する腫瘍塞栓術

脳腫瘍は文字通り「脳にできたできもの」で、正確には100種類を超える様々な種類があります。その中でも血流が豊富な腫瘍は摘出時に出血量が多くなる可能性があります。血管内治療のみでは原則治癒することはできませんが、開頭摘出術の前に血管内治療を行うことがあります。腫瘍を養う血管のみ超選択的に塞栓物質を運ぶことで腫瘍にいく血液を減らすことにより開頭術時の出血量を著しく軽減させ安全に手術を行うことが可能です

腫瘍塞栓術の画像

血管が豊富で容易に出血する腫瘍ですが、塞栓術により腫瘍血管が写らなくなっています。この後安全に腫瘍を摘出しています。

術前
術後

慢性硬膜下血腫に対する中硬膜動脈塞栓術

慢性硬膜下血腫は比較的高齢者に頻度が高い疾患で、軽い頭のケガをきっかけに1-3ヶ月後「脳」とそれを覆う「硬膜」の間に徐々に血液が溜まっていく病気です。軽度であれば症状はありませんが、多くなると脳を圧迫して意識障害や麻痺などの症状を出すことがあります。

通常は頭の骨に穴をあけて血液を吸いだす穿頭術を行うことが一般的ですが、術後に再発することもあります。その際血管内治療により硬膜にいく血管に塞栓物質を運ぶことにより再発率を低下させることができ、また一般的ではありませんが血管内治療単独で治癒することもあります(注意:当院倫理委員会の承認を得た治療法ですが一般的ではなく、治療効果には個人差があります)。

再発を繰り返している患者様やどうしても切る手術に躊躇する方などは一度御相談いただければと思います。

中硬膜動脈塞栓術の画像

症状は1ヶ月で改善し、血腫は3ヶ月で消退しました。

術前
術後3ヶ月
血管に沿って見える塞栓物質

特殊外来

脳血管内治療外来

上記のような様々な脳の病気に対し脳血管内治療のみならず様々は治療の選択肢を御提案することが可能です。紹介状や画像を持参いただければ1回の診察でより詳細なお話ができるかと思いますが、「〇〇病院でこんなことを言われました」「最近脳の病気が心配で」など、お悩みの方は御予約いただければ適切な検査を行った上で今後の方針を一緒に考えることができますので、お気軽に受診してください。

さらに詳しい情報

脳血管内治療センター

脳卒中診療は多くの職種が連携して互いの特性を活かすことが重要です。脳血管内治療センターは多職種連携を目的に開設されました。定期的に勉強会や意見交換を行いながら研鑽し患者様の診療に役立てています。

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