子宮体癌、子宮頚癌、卵巣癌などの悪性腫瘍は、手術、放射線療法、化学療法を組み合わせた集学的な治療を行っています。子宮体癌、卵巣癌では傍大動脈リンパ節郭清術を積極的に行い完全な腫瘍の摘出を目指しています。子宮頚癌は、子宮頸部円錐切除から広汎性子宮全摘術までガイドラインに従って手術を行っています。Ⅲb期以上の子宮頸癌は、化学療法同時併用放射線療法を行っています。
子宮筋腫は、薬物療法にて月経困難症や月経過多症などの症状の軽減を図りますが、このような保存的な治療に効果がないときは手術を行います。手術には従来から行われてきた腟式手術や腹式手術だけでなく、内視鏡手術(腹腔鏡、子宮鏡)も行っています。特に子宮鏡下手術は、1~2日間の入院で済み、退院翌日より職場復帰が可能であるため適応のある子宮筋腫には積極的に行っています。
良性卵巣腫瘍は、原則的に腹腔鏡下手術を行います。
子宮脱や膀胱瘤は、骨盤支持装置が障害され発生する疾患で排尿障害や排便障害、外陰部不快感などQOLが大きく損なわれる疾患です。当科では膀胱瘤、子宮下垂に対しては経腟メッシュ手術、子宮脱に対しては腟式子宮全摘術、腟断端仙骨子宮靱帯固定術を行っています。
当院では安全で快適な分娩を目指しています。妊娠、分娩、育児に対する不安をできるだけ小さくして安心して出産を迎えられるように助産師が指導させていただきます。
どのようなお産をしたいか希望を伺い、妊婦自身が積極的に出産に臨めるようにしています。
最近では従来の分娩台で仰向けになり分娩することは少なくなり、側臥位や四つん這いなど産婦が楽な姿勢での分娩(フリースタイル)を行い、満足度の高い分娩を目指しています。
分娩後は、母児の早期接触を行い、その後の母児同室により自宅での哺育が順調に行えるように指導しています。
その結果、たくさんの症例が母乳栄養で哺育できるようになっています。